藤村直樹さんのこと

僕が藤村さんに出会ったのは、20歳の時でした。
まだ大塚ちゃんやゾウさんに出会う前の事です。
藤村さんは、小松民雄さんや勝木徹芳さんと「なれあいシンガーズ」というユニットを結成して、社会批判的な歌を歌っていたように思います。
僕は客席からずっと、それを眺めていました。
彼等はヒーローであり、僕は一介のアマチュアでした。
お話するなんて大それた事、思ってもみませんでした。
初めて言葉を交わしたのは4年前、京都で誰かのライブがあった時に、会場でバッタリ出会った時の事でした。
藤村さんは、まるで昔からの友人に再会したかのように、僕に接してくれました。
昨年僕が入院した時には、何度も電話をいただき、医師としてのアドバイスをいくつも戴きました。
人と人を結びつけて、何かを創りあげてゆく、そういうことが出来る人でした。
ご冥福をお祈りします。